質実剛健・文武両道などの県民気質で知られる鹿児島は今もその気質は受け継がれている。市内から眺める噴煙を上げる桜島の姿は、迫力満点でまさに圧巻そのもの。最南端の指宿温泉はハネムーンのメッカとしての隆盛期の面影を残すトロピカルな雰囲気だ。また霧島温泉郷には、真っ白な硫黄泉や濃厚な炭酸泉などの名湯・秘湯も。

天孫降臨伝説の地・霧島。霊峰・高千穂峰に降り立った、日本建国神話の主人公・瓊々杵尊(ににぎのみこと)を祀る「霧島神宮」をはじめ、様々な“霧島七不思議”が伝わる神秘の土地だ。その高千穂峰の懐から湧き出る名湯・霧島温泉郷は、大小様々な温泉地から成り立つ霧島観光の拠点。それぞれに異なる泉質を持つ温泉は湯治としての利用も多く、周辺には数多くの大型ホテルや旅館が軒を連ね賑わいを見せる。駅など各所に足湯が設置されていたり、温泉の蒸気を利用した温泉卵などが販売されていたりと、豊かな温泉の恵みが随所に感じられるだろう。また夏場には高千穂河原一帯にミヤマキリシマが咲き誇り、登山客も多く訪れる。

薩摩半島東南端に位置する指宿温泉郷。錦江湾に面した海岸沿い約5km に渡り、温泉が湧き出ている。指宿温泉は、かつて薩摩藩主が愛用していたという「殿様湯」をはじめ、9つの公衆浴場が存在し、鄙びた風情が多くの温泉ファンを魅了してやまない。そして指宿温泉といえば欠かせないのが、海岸沿いに並ぶ砂むし会館や温泉旅館で体験できる「砂むし温泉」だろう。温泉が地下を通って摺ヶ浜(すりがはま)海岸に流れ出し、干潮時に海水が引くと温められた砂だけが残るためにできるという、指宿温泉が誇る日本唯一の天然砂むし。指宿温泉を訪れた際には、ぜひチェックしておこう。このほか干潮時になると砂の道が現れる知林ヶ島など、周辺には観光スポットも目白押しだ。


鹿児島市は至るところから温泉がわき、源泉数たるや270。市内にはレトロな番台タイプからスーパー銭湯タイプまで約70もの様々な温浴施設が点在しており、もちろん、そのほとんどが温泉だ。県庁所在地としては、日本一の温泉天国シティと言っても過言ではない。利用料金も値頃感が高く、一部を除いて360円で本物の温泉が堪能できるというからビジネスホテルへの宿泊客にとっても、温泉好きにとっても、ありがたい限りだ。行列のできる黒豚シャブシャブを食べて、芋焼酎を飲んで、温泉に浸かる、そんな極楽な時間が楽しめるのが、鹿児島市内温泉だ。

海良し山良しの、世界に誇る自然の宝庫島鹿児島県大隅半島の南の海上に位置する種子島。古くは、鉄砲伝来の地で火縄銃の製作が始められた場所として知られる。現在では、種子島宇宙センターなど宇宙関連施設が多く建設され、日本の宇宙開発の拠点になっている。また、ウミガメが産卵のため上陸する長浜海岸や、サーファーに人気の鉄浜海岸やよきの海水浴場など、景勝地が多いことでも有名だ。温泉地は、軟水で肌に優しい種子島温泉などがある。一方、種子島の西隣に位置するのが屋久島。美しい自然が残されており、島の面積の約20%がユネスコの世界自然遺産に登録されている。島の中央部には、九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)がそびえ、他にも多くの1,000m級の山々を有し、「洋上のアルプス」の呼び名がある。また、樹齢1,000年以上の天然杉「屋久杉」(そのうち樹齢が最長と言われるのが「縄文杉」)、野生動物のヤクザルやヤクシカなど、この島固有の自然があるのも特徴だ。これらの大自然を満喫するトレッキングやカヌーと共に温泉も人気で、屋久島温泉、尾之間温泉、平内海中温泉、湯泊温泉、楠川温泉、大浦温泉などがある。

奄美大島は、鹿児島から南へ約380キロ下ったところにあり、周囲460kmで沖縄本島、佐渡島に次いで3番目に大きな島である。年間平均気温21度と温暖な亜熱帯気候。島の85%が山林で、国の天然記念物アマミノクロウサギをはじめ、昆虫や草花などこの島固有の生物が数多く生息する生物学的にも貴重な島である。スキューバーダイビングやシーカヤックなど、この自然を満喫できるレジャーも盛んで、近年多くの人々が島を訪れている。特産品はさとうきびを原料とした黒糖焼酎をはじめ、煮込んで細かく裂いた鶏肉、パパイヤ漬け、刻み海苔をごはんに乗せ、鶏肉を煮込んだスープをかけた郷土料理の「鶏飯」などがある。